レシバクとレシエンブ
2011年2月15日 TCG全般 コメント (7)ジムチャレなどで色々な方と話をしていると、「レシバクフとレシエンブってどっちがいいんですかね?」という質問を受けることがよくあります。
そのたびに「安定性ならバクフ、爆発力ならエンブ」と答えてはいるのですが、今回はその根拠を「要求」という言葉を用いてたらたらと説明してみようかと思います。
①本当にレシバクフの方が安定しているのか
根本的なところからですね。実は、単純に青い炎を使うだけならば、その「要求」は「レシラム・たね・1進化(ふしぎなアメ)・2進化・炎エネ×3」と違いはありません。
では何故レシバクフの方が安定、と言われているのか。それはレシエンブがその要求に対して回り道をしているからなんですよね。
エンブオーの場合手札からエネルギーを付ける為、常に手札を豊富に持ち合わせている必要があり、エンジンであるキュウコンが最低1体は立っていないと立ち回ることができません。しかしキュウコン自体がエネルギーを消費してドローするポケモンなので、必要なエネルギーは3枚どころか6,7枚ぐらいに増えていってしまっているのです。さらにその半数はトラッシュに落ちてしまっているので、エネルギー回収や釣り人と言ったエネリカバリーも必須となります。
結果、レシエンブの要求は「レシラム・ポカブ・チャオブー(ふしぎなアメ)・エンブオー・ロコン・キュウコン・炎エネ×6,7・エネルギー回収(釣り人)」と相当な枚数になることがわかります。実際にはエンブオー・キュウコンそれぞれ2体ずつ立てないといけないのでもっと必要です。そんな回り道をしているので、攻勢に出るのが非常に遅くなるのです。
一方レシバクフの場合は、要求に対して最短距離を突っ走るだけですので、本当に上記に書いたようなカードさえあれば戦うことができます。その分だけ安定していると言えるのです。しかもエネルギーは1,2枚ぐらい落としてもアフターバーナーで回収できるので、エンジニアや坊主でエネを落としつつ必要なパーツを引いてくるようなこともできます。そのため早ければ2ターン目、遅くても4ターン目には連射体制が整います。
②レシエンブの強み-「環境的な要求への対応」
ここまで言うとレシバクフが完全上位互換のように思えてきますが、実はそうではありません。レシバクフは要求が少ない分、「デッキの限界」も若干低く、そのため「環境的な要求」に対応しきれない場合があるのです。
レシエンブの場合、速度と引き換えに得た豊富な手札のおかげで、サブアタッカーとしてレックデオLegendやエンブオー(HS)を投入することができます。これらのアタッカーを採用することによって、このデッキが出せる最高出力が、青い炎の120ダメージから150ダメージに引き上げることができます。
このことが大きな利点となるのが、対ゴチラン戦です。ゴチランは完成すると120ダメージ以下の攻撃を全て受け止め、流してしまいます。70ダメージ以上の人海戦術やプラスパワーによる補助も使えないため、最高出力が120以下だと完全に詰んでしまいます。そこで最高出力を150に引き上げ、ゴチルゼルを突破するのが狙いなのです。
一方、レシバクフはそのようなサブアタッカーの採用が難しいです。そして最高出力が120止まりなので、ゴチランへの勝ち筋は「速攻を仕掛けて場の完成を阻害する」ことだけになってしまいます。しかし相手のジャッジマンやキャッチャーなどで逆に妨害される可能性もあり、絶対に有利を取れるとは言い切れません。それだけレシバクフはゴチランに対して分が悪いと言えます。
また、レシバクフとレシエンブが対峙した場合も、それぞれ要求が異なります。レシバクフは相手のレシラムを倒すのに青い炎では10ダメージ足りないので、プラスパワーによるダメージ補強が必須です。逆にレシエンブ側はアフターバーナーによるダメージがあるのでプラスパワーのようなダメージ補強が必要ありません。レシラム同士の殴り合いでは、レシバクフ側が的確にプラスパワーを引いてこない限り、レシエンブ側の方が有利に立てる可能性があるということです。また、レシエンブのサブアタッカーはどちらもHPが140以上なので、このサブアタッカーと対峙した場合、レシバクフ側の要求は「プラスパワー2~3枚」と難しいものになります。その要求に答えられない場合、レシバクフ側は非常に不利になるのです。
スピードの差はあるとは言え、完成したゴチランにもレシエンブにも分が悪いのがレシバクフなのです。そして問題なのが、ゴチランやレシエンブは現行のL1~BW1環境では出現が十分考えられるデッキだということです。
③まとめ
今回は「要求」ということで両デッキを見比べてみましたが、どうだったでしょうか。簡単にまとめるなら、デッキとしての要求が少ないのがレシバクフ、環境的な要求に対応しているのがレシエンブということだと思います。
問題はここからどうやって発展させていくか、と思いますよ。
例えばレシエンブの場合、レシバクフに先行取られることを覚悟してふたごちゃん回しにしてみるのもなかなかアリじゃないかと思っています。
逆にレシバクフは新弾などで強力なサブアタッカーを得たり、バクのトレーニングやクロバットGといった10点追加系のカードの復活があれば、現状の問題点を克服できるようになると思います。
また、新しいデッキを組む場合も、そのデッキ自身の要求難度が厳しくないか、また環境的な要求を満たしているか、という視点は大事だと思います。
そういうことも考えてデッキを組めるようになれば、もっと強くなれると思いますよ。
そのたびに「安定性ならバクフ、爆発力ならエンブ」と答えてはいるのですが、今回はその根拠を「要求」という言葉を用いてたらたらと説明してみようかと思います。
①本当にレシバクフの方が安定しているのか
根本的なところからですね。実は、単純に青い炎を使うだけならば、その「要求」は「レシラム・たね・1進化(ふしぎなアメ)・2進化・炎エネ×3」と違いはありません。
では何故レシバクフの方が安定、と言われているのか。それはレシエンブがその要求に対して回り道をしているからなんですよね。
エンブオーの場合手札からエネルギーを付ける為、常に手札を豊富に持ち合わせている必要があり、エンジンであるキュウコンが最低1体は立っていないと立ち回ることができません。しかしキュウコン自体がエネルギーを消費してドローするポケモンなので、必要なエネルギーは3枚どころか6,7枚ぐらいに増えていってしまっているのです。さらにその半数はトラッシュに落ちてしまっているので、エネルギー回収や釣り人と言ったエネリカバリーも必須となります。
結果、レシエンブの要求は「レシラム・ポカブ・チャオブー(ふしぎなアメ)・エンブオー・ロコン・キュウコン・炎エネ×6,7・エネルギー回収(釣り人)」と相当な枚数になることがわかります。実際にはエンブオー・キュウコンそれぞれ2体ずつ立てないといけないのでもっと必要です。そんな回り道をしているので、攻勢に出るのが非常に遅くなるのです。
一方レシバクフの場合は、要求に対して最短距離を突っ走るだけですので、本当に上記に書いたようなカードさえあれば戦うことができます。その分だけ安定していると言えるのです。しかもエネルギーは1,2枚ぐらい落としてもアフターバーナーで回収できるので、エンジニアや坊主でエネを落としつつ必要なパーツを引いてくるようなこともできます。そのため早ければ2ターン目、遅くても4ターン目には連射体制が整います。
②レシエンブの強み-「環境的な要求への対応」
ここまで言うとレシバクフが完全上位互換のように思えてきますが、実はそうではありません。レシバクフは要求が少ない分、「デッキの限界」も若干低く、そのため「環境的な要求」に対応しきれない場合があるのです。
レシエンブの場合、速度と引き換えに得た豊富な手札のおかげで、サブアタッカーとしてレックデオLegendやエンブオー(HS)を投入することができます。これらのアタッカーを採用することによって、このデッキが出せる最高出力が、青い炎の120ダメージから150ダメージに引き上げることができます。
このことが大きな利点となるのが、対ゴチラン戦です。ゴチランは完成すると120ダメージ以下の攻撃を全て受け止め、流してしまいます。70ダメージ以上の人海戦術やプラスパワーによる補助も使えないため、最高出力が120以下だと完全に詰んでしまいます。そこで最高出力を150に引き上げ、ゴチルゼルを突破するのが狙いなのです。
一方、レシバクフはそのようなサブアタッカーの採用が難しいです。そして最高出力が120止まりなので、ゴチランへの勝ち筋は「速攻を仕掛けて場の完成を阻害する」ことだけになってしまいます。しかし相手のジャッジマンやキャッチャーなどで逆に妨害される可能性もあり、絶対に有利を取れるとは言い切れません。それだけレシバクフはゴチランに対して分が悪いと言えます。
また、レシバクフとレシエンブが対峙した場合も、それぞれ要求が異なります。レシバクフは相手のレシラムを倒すのに青い炎では10ダメージ足りないので、プラスパワーによるダメージ補強が必須です。逆にレシエンブ側はアフターバーナーによるダメージがあるのでプラスパワーのようなダメージ補強が必要ありません。レシラム同士の殴り合いでは、レシバクフ側が的確にプラスパワーを引いてこない限り、レシエンブ側の方が有利に立てる可能性があるということです。また、レシエンブのサブアタッカーはどちらもHPが140以上なので、このサブアタッカーと対峙した場合、レシバクフ側の要求は「プラスパワー2~3枚」と難しいものになります。その要求に答えられない場合、レシバクフ側は非常に不利になるのです。
スピードの差はあるとは言え、完成したゴチランにもレシエンブにも分が悪いのがレシバクフなのです。そして問題なのが、ゴチランやレシエンブは現行のL1~BW1環境では出現が十分考えられるデッキだということです。
③まとめ
今回は「要求」ということで両デッキを見比べてみましたが、どうだったでしょうか。簡単にまとめるなら、デッキとしての要求が少ないのがレシバクフ、環境的な要求に対応しているのがレシエンブということだと思います。
問題はここからどうやって発展させていくか、と思いますよ。
例えばレシエンブの場合、レシバクフに先行取られることを覚悟してふたごちゃん回しにしてみるのもなかなかアリじゃないかと思っています。
逆にレシバクフは新弾などで強力なサブアタッカーを得たり、バクのトレーニングやクロバットGといった10点追加系のカードの復活があれば、現状の問題点を克服できるようになると思います。
また、新しいデッキを組む場合も、そのデッキ自身の要求難度が厳しくないか、また環境的な要求を満たしているか、という視点は大事だと思います。
そういうことも考えてデッキを組めるようになれば、もっと強くなれると思いますよ。
コメント
レシバクフ使っている人は「レシエンブの方が強い」と言うし…
ただ、若干スピードある分レシバクフの方がいいんじゃないかな、というのが大方の意見だと思いますし、自分もそう思います。
でも、「オゾンクライマックス!!」って言いたいじゃないですか(笑) 一緒に叫んでサイドを2枚取りましょう。
こちらからもリンクいただきました。よろしくお願いします。
レシバクフは、レシエンブに分が悪そうですが、バンギやゴチルゼルにはフレアデストロイが強力。
どちらも一長一短で、目移りしますね。
師匠と呼んでもよろしいですか
こちらの方が圧倒的に分かりやすくて感動しております!
レシバクフは早いし小回りが利いて、普通に強いと思うのですが
エンブオーが環境に居座り続ける以上、常に一歩劣る存在になるのではと思っています。
相手のポカブを摘み切ってしまえばレシバクフが勝つし、ポカブを守りきってエンブオーに出来たらレシエンブが勝つ、ぐらいの認識ですかね。
実はゴチにフレアデストロイするとゴチも倒せそうですが、ゴチを壁にしながら2体目のゴチにジラ・シェイミを使われると、一気に不利になるんですよね。
やはりそこはデッキの伸び代が大きいゴチランの方が有利な気がします。
>akiさん
弟子を取る程でもないからダメです。
>Pさん
レシバクフはおっしゃる通り「普通に強いデッキ」なんですよね。
その「普通の強さ」を捨ててまでエンブオーを使いたいという人は、相性的な強さを追い求めていくべきなんだと思います。
改めて考えるとレシバクフとレシエンブは全く違うところを向いているデッキだから、同列に扱っちゃいけない気がしてきたよ(笑)
イイネ!